きっと多分今しか書けない想い
何も考えずにはてブロを開いてしまった。今じゃないともう二度と書けない気がする。何から書けばいいか、自分から湧き出るものが何なのか、その言葉から逃げるな、って。
通路挟んで1列目、下手側。我ながら、自名義でこの席はなかなかだと思う。よく頑張ってくれた。
どうやって始まるのか、いつ出てくるのか、どんな衣装でどんな髪型でどんな表情なのか。まもなく開演とナレーション、程なくして音楽が流れて鳥肌が止まらなかった。全身に鳥肌。
声、だった。
私の知っている八乙女光の声じゃなくて、声でまた鳥肌が立った。窓を登ってくる姿に、苦しくなって、あぁ、いよいよ始まるんだなって。
盗まれる側のマーロウ、盗む側のウィル。この『盗む』という言葉はこの舞台のキーワードになってるんじゃないかな。そうだよね。マーロウはウィルに盗め、と言い、ウィルはマーロウから次々と言葉を盗み、盗んで盗んで盗みまくって、いつの間にかマーロウを超えていて。だけど、ウィルは、マーロウが新作を出さないからもう他に盗むものがなくなって、書くことをしばらくやめてしまって、核心をつくようなことをマーロウに言われた、私はこのシーンが1番好きかもしれない。
『書かないんじゃない、書けないんだ、違うか?俺が書かないから、盗むものがなくなっだんだろ?』
『盗むものがなくなったら、自分を頼るしかない。自分の中から湧き出て、他の誰にも由来しないもの。それが本当の言葉だ。』
(ニュアンスですが)それが図星で、だけどひとつだけ口を挟んでいいですか?とウィルが。
「3年も書いてない人に言われたくないですね、その言葉そのままマーロウさんにお返しします」
って。それを聞いて自嘲するように笑うマーロウ。それを演じる光さん。この自分を欺くような笑いの芝居が、怖いくらいに光さんじゃなくて。でもそのとき、マーロウは、本当に書きたいものエドワード二世を書いていて...マーロウとウィルがバチバチにバトって。ってこのシーンは、そうだ、ジョーンがウィルを呼びに来て終わったんだったな。
ジョーンと言えば。
ウィルがマーロウの肩を抱き、一緒に部屋に戻ってきたあの日のお皿の話。キットから聞いたのよ、って。お皿の話とは、
人間はもともと割れたお皿で、その片割れを見つけるために生きていく。私とマーロウはそのお皿が一緒になろうとしないから、暮らしていて楽なのかもしれない。あの人は合わさる気なんてないのよ。って、お互いがお互いをどこかで分かり合っていて、マーロウに特別な感情はないのかもしれないけど、でも、帰ってくる場所はいつもジョーンの部屋だったなって。
一幕の終わりでジョーンとネットが結婚する話がされて、第二幕では娼婦街に住むジョーンはもういなくて。そうだ、マーロウとウィルが言い合いした後、ジョーンが来たとき、キットとふたりしばらく見つめ合うシーンがあるんだけど、そのマーロウの視線が痛い、苦しい。《おい、マーロウ!!!なんか言えよ!!!》ってめちゃくちゃ思った。そんな目で見といて、ひとりで帰るんじゃないよ、寂しすぎるだろ。結婚のこともキットからは結局なにも言わなかったみたいだし。思ってることを言わない男だ。言えないんじゃなくて、言わないんだよね。はいはい。
ラスト、薔薇の赤。白鳥の白。この色の衣装を身に纏ったふたり、階段の上。ここのマーロウが、ここの光さんが、ひたすらにかっこいい。ウィルを守りたい、自分の命と引き換えにしても。それくらいウィルの才能を認めていて、それをはじめて、ウィル本人の前で口にする。
『一回しか言わないから、よく聞け。お前には俺を越える才能がある、喜劇(誰からも愛される的なことだったかな?覚えてないや)もカトリックであることを隠す続けてきた、悲劇も。芝居を書き続けろ、お前が書いた芝居は全て、お前が生きたという証拠になる。』
もっとぶわぁーっと言葉を連ねていたけど、大体こんな感じのことを言っていて。面と向かって真正面から、尊敬するマーロウさんにこんな言葉を貰ったウィル。去り際も凄くよかった。『俺のやり方でなんとかするよ、』って笑いながら階段を降りて、切なくて、儚くて、力強くて、優しい、マーロウが。
死ぬときも、マーロウなんだ。スイスまで行きたかったけどって笑っててさ、そこでフライザーに刺されちゃうんだけどね。
内容に関することを思い起こして並べて見たけど、ここからは私のすごく個人的な感想。
とにかくマーロウが寂しい。光さんが、マーロウのお墓を見て悔しくて悲しくなったというのがすごくわかった。光さんの感じた悔しさや悲しさが伝わった。ほんとうに凄いことだと思う。マーロウって女のところに転がり込んだ借金払えないクズ野郎なんだろうなって思ってたから。全然そんなことなくて、むしろ悲しさと寂しさと優しさの塊みたいな男でさ。なのに、それをわかってるのはジョーンだけ。他の奴らは、マーロウはただのホモ野郎って思ってたり、早く金返せって思ってたり、芝居書けよって催促したり、そんな扱い。あ!今思い出したけど、酔っ払って帰ってきた日の朝、慕われてるのねってジョーンに言われて、『俺、人に慕われたことないから...』みたいなことを言っていて、このシーンもすごく好きだったなぁ、と。
私がこんなに寂しいのは、マーロウが寂しいから。なんであんなにたくさん考えて、心で誰かを想って、けど口が悪くて、癇癪持ちで、だけど本当はすっげー優しいんだよ。あんな扱いかよ、マーロウ、寂しすぎるよ。
マーロウは確かに、生きてた。
生きていて、ウィルのために命を捨てた。
一度トップに立った演劇界をウィルに託した。
今でも世に知られているのは圧倒的にウィリアム・シェイクスピアだ。
そしてなにより切ないのは、
実際はこの時代にふたりは出会っていないということ。
フィクションであるということ。
ふたりの友情はないということ。
マーロウはもっと孤独であっただろうということ。
マーロウが寂しすぎるということ。
Hey! Say! JUMPの八乙女光はどこにもいなかった。
彼がアイドルであるということを感じる隙は一瞬たりともなかった。
雄也は愛される性格がシェイクスピアっぽかったし、好青年さもちょっとお茶目なところも含めて、雄也だなって、思うところもあったけど。
役者 八乙女光がそこにいて、
こんなことを言うのは早すぎるけど、
また来年も再来年もその次も、舞台上でお芝居をしていてほしい。
何度でも光くんの舞台の芝居を見たいです。
もうすぐヒルナンデス。
エモすぎてエモすぎる。
エモいなんかで片付けたくないけどさ。
苦しいよ、マーロウ、光さん。
さて、そろそろ私は明日発表の課題をしようか。
ノートパソコンは電源がつかないまま。
学校行かなきゃね。
ほんと苦しいなぁ。
マーロウどっかで生きてないかな。
昨日のマーロウはもう死んだから、今日のマーロウはまだ生きてるから。
もう、言葉も語彙力も本当になさすぎて、ただの記録になっちゃったけど、もうこれを逃したら一生書けないからさ。書き殴った。
マーロウが寂しい。
昨日の4人と、はじめてを観れてよかったです。
2018.05.29
追記
バイト帰り、チャリ漕ぎながら思い出した、光くん。
後ろ向きざまに額を拭ったり、親指で目を擦ったり、流れてくる汗を拭く後ろ姿や横顔までばっちり見えた。がんばれ〜って心の底から思いました。
どんどん追記が増えそうな予感。